導入事例は何本必要か|「業界×規模」で考える計算式

「事例は何本あればいいのか」への答えは、本数ではなく面積で考えると明確になります。検討者は自分と似た会社の事例を探すため、必要なのは「主要な業界×企業規模の組み合わせが埋まっていること」。この記事ではその計算式と、作る順番の決め方を解説します。

結論: 多くのBtoB企業で8〜12本

必要本数の計算式はこうです。

必要本数 = 主要業界の数(2〜4)× 企業規模の帯(2〜3)
例: 主要3業界 × 規模3帯(〜50名/〜300名/それ以上)= 9本

検討者が事例ページで探しているのは「良い話」ではなく「自分と似た会社」です。似ている軸は主に業界と規模の2つ。だからこの2軸の主要な組み合わせが1本ずつ埋まっていれば、ほとんどの検討者に「あなたに近い事例」を出せます。多くのBtoB企業でこれが8〜12本に収まります。

なぜ「たくさんあるほど良い」ではないのか

11本目の製造業事例より、1本目の物流業事例のほうが価値が高い——面で考えるとはそういうことです。同じセグメントの2本目以降は限界効用が急落します(使い道がないわけではなく、鮮度更新や課題違いのバリエーションとしては有効)。逆に空白セグメントは、そこからの検討者に「うちみたいな会社では使われていないのかな」という不安のシグナルを送り続けます。

作る順番の決め方

  1. 受注データで主要セグメントを特定する — 直近1〜2年の受注を業界×規模で並べ、多い順に
  2. 「営業が今欲しい」を1つ混ぜる — 進行中の大型商談と同じセグメントの事例は、順番を繰り上げる価値があります
  3. 話してくれるお客様がいる所から埋める — 理想の順番より、確実に取材できる順番。空白を埋める速度が優先です(依頼の仕方は依頼メール文例)
  4. 開拓したい業界は最後に1本 — 実績が薄い業界は1本目のハードルが高いため、既存側を固めてから。どうしても無い場合は匿名事例という手もあります

本数がそろった後は「鮮度」の勝負になる

8〜12本の面が埋まったら、次の敵は陳腐化です。検討者は事例の日付を見ています。全事例が3年前で止まっているサイトは、「最近は成功していないのか」と読まれかねません。目安として、年間の新規公開+更新が計4本を下回らないようにすると、事例ページ全体が「生きている」印象を保てます(更新の実務は作り方ガイドの工程5を参照)。

本数の壁は、1本あたりのコストの壁

「8〜12本必要」と聞いて非現実的に感じたなら、原因は本数ではなく単価です。外注1本10〜30万円なら8本で100万円超——止まるのは当然です(費用相場の詳細)。ジレイスタジオは月5本・1本あたり7,960円なので、この記事の計算式で出た必要本数を2〜3ヶ月で埋めることができます(料金/β版無料登録)。

よくある質問

事例が多すぎることの弊害はありますか?

あります。数だけ多くて整理されていないと、営業も見込み客も目当ての1本を探せなくなります。20本を超えたら業界・規模・課題のタグで絞り込める一覧が必須です。また古い事例が混ざったまま放置されると、全体の鮮度を疑われます。

すべての業界の事例が必要ですか?

不要です。売上の大半を占める主要業界(通常2〜4業界)と、これから開拓したい重点業界(1〜2業界)に絞ってください。裾野の業界は「近い業界の事例」で代用が利きます。

何ヶ月ごとに事例を見直すべきですか?

年1回の棚卸しをおすすめします。製品画面・数値・お客様の体制が現状と乖離していないかを確認し、乖離があれば更新するか、公開を続けるか判断します。